閉店間際、とっくに帰られたと思っていたお客様が店内に戻ってこられました。
エンジンがかからないとのこと。お店の片づけはさておき、ブースターケーブルでバッテリーをつないでみましたがダメ。カチッとも音がしないので、こりゃ無理だということでJAFを待ち、無事ご帰宅され、ホッとひと息。
こんな時、いつも思いだす出来事があります。学校を卒業する直前に父親から譲り受けた古い車が横浜で故障した時に、近くの住人が長時間にわたって面倒をみてくれました。おかげで何とか走れるようになったのですが、お名前を聞いても教えてくれません。
そして、そのかたは
「自分も以前、車の故障で助けられたことがありとてもうれしかった。お礼はいらないから今度困っている人がいたら助けてあげて下さい」
その後、何度見ず知らずの人を助け、また助けられたことでしょう。一度ヤンキー風のお兄さんのバッテリーあがりに協力したところ、そのお兄ちゃんはニコリともせずタバコを1カートン差し出してきました。丁重にお断りし、ここぞとばかりに上記フレーズを使わせていただきました。お兄ちゃんは深々と頭を下げ、短いお礼の言葉とともに去っていきました。
(もちろんニコリともせずに)
明日から、雪が降りはじめるとの予報。お車の運転および整備はくれぐれも慎重に。